出品したNFT作品がサムネイルで潰れたり、拡大すると粗く見えたりして落胆した経験はありませんか。
原因の多くはプラットフォームごとに異なる推奨ピクセル、アスペクト比、解像度やファイル容量の制限を把握していないことです。
この記事では適切なピクセル数の目安やアスペクト比一覧、sRGBなどのカラープロファイル、PNGやJPEGの使い分け、容量削減の実践テクニックまで実用的に解説します。
OpenSeaやBlur、Foundation、Magic Edenなど主要プラットフォーム別の推奨設定と、サムネイル表示やズーム対応を踏まえた作成時のテンプレや注意点も紹介します。
まずは基本の画像設定を整えて作品の見映えと互換性を両立させ、本文で具体的な手順とチェックリストを順を追ってご紹介します。
NFTアートの画像サイズ
NFTアートを出品する際、画像サイズは見栄えと表示速度に直結する重要な要素です。
この章では実用的な推奨ピクセル数から、アスペクト比、解像度、ファイル形式、容量の目安、サムネイルの表示サイズまでをわかりやすく解説します。
推奨ピクセル数
汎用性が高いのは2000×2000ピクセル前後の正方形画像です。
詳細なディテールやズーム表示を重視する場合は3000×3000ピクセル以上を制作すると安心です。
モバイルやSNSでの表示を考えると、最低でも800ピクセル以上の長辺を確保してください。
アイコンやサムネイル用途を別途作るなら、512×512ピクセルや300×300ピクセルなどの小サイズも準備しておくと便利です。
アスペクト比一覧
作品の内容や見せ方に応じてアスペクト比を選ぶと、サムネイルやギャラリー表示での見え方が安定します。
- 1:1(正方形)
- 4:3(クラシック)
- 16:9(ワイド)
- 9:16(縦長スマホ向け)
- 3:2(写真向け)
正方形は多くのマーケットプレイスで扱いやすく、統一感を出しやすいです。
ワイド比は風景やシネマティックな作品に向き、縦長はスマホ閲覧でインパクトを出せます。
解像度とDPI
ウェブ表示が主目的の場合、DPIは72〜150で問題ありません。
DPIは印刷での基準なので、画素(ピクセル)数が最優先になります。
ただし、将来的にプリント販売も考えているなら、300DPI相当の高解像度で保存しておくと安心です。
元データは高解像度で保持し、出品時に適切な解像度へ書き出す運用がおすすめです。
ファイル形式
| 形式 | 特徴 |
|---|---|
| PNG | 透過対応 高品質 |
| JPEG | 軽量 写真向け |
| GIF | アニメーション対応 低色数 |
| WEBP | 高圧縮 高画質 |
| SVG | ベクター 無限拡大 |
基本はPNGとJPEGの使い分けが中心になります。
透過が必要なイラストや合成素材にはPNGを推奨しますが、写真系はJPEGで容量を抑えると良いです。
アニメーション作品はGIFやAPNG、短い動画はMP4を検討してください。
ファイル容量の目安
多くのマーケットプレイスは100MB前後を上限に設定していますが、実用上は10〜30MBに収めると安心です。
サムネイルは500KB以下を目標にすると読み込みが速く、閲覧者の離脱を防げます。
高解像度の元ファイルは別に保管し、出品用には最適化したファイルをアップロードしてください。
サムネイル表示サイズ
マーケットプレイスの一覧表示では300×300ピクセル前後で表示されることが多いです。
サムネイルでは細かなディテールが潰れやすいので、中心に視認性の高いモチーフを配置してください。
コントラストを強めにしておくと、小さな表示でも作品の印象が伝わりやすくなります。
プラットフォーム別推奨サイズ
主要なNFTマーケットごとに推奨される画像サイズやファイル制限は異なります。革新的な表示方法やサムネイル処理の差で、見え方が大きく変わるため、出品前の確認が重要です。
OpenSea
OpenSeaはユーザー数が多く、様々なファイル形式に対応しているマーケットプレイスです。
高解像度でアップロードすると詳細が保持されるため、2,000〜3,000ピクセル程度の正方形を目安にすると安心です。
| 項目 | 推奨値 |
|---|---|
| 推奨解像度 | 2000〜3000px |
| ファイル形式 | PNG JPEG GIF |
| 最大容量 | 100MB 目安 |
| サムネイル比率 | 1:1中心 |
| カラープロファイル | sRGB |
OpenSeaでは自動でサムネイルが生成されますので、トリミングされても重要な要素が切れないように中心寄せで配置してください。
アニメーションや透過PNGもサポートされますが、表示やプレビューの挙動がプラットフォーム側で変わることがありますので、事前にテストすることをおすすめします。
Blur
Blurはトレーディングや短期の売買に向いたプラットフォームで、サムネイルの見え方が重要となります。
以下はBlurに出す際のポイントの一覧です
- 推奨解像度 2000×2000px
- ファイル形式 PNG JPEG GIF
- 最大容量 100MB 目安
- アスペクト比 自由 ただしサムネイルでトリミングされる可能性あり
Blurではサムネイル主導の表示が多いため、縮小時の見え方を必ず確認してください。
Rarible
Raribleはクリエイター向けの柔軟なマーケットプレイスです。
透過PNGやアニメーションGIFの取り扱いが可能で、作品の特性に合わせたファイル形式を選べます。
推奨はおおむね2,000ピクセル前後で、ファイル容量の上限はサービス側の設定を確認する必要があります。
Foundation
Foundationはキュレーション性が高く、ビジュアルの見栄えが重視されるプラットフォームです。
横長の作品でも十分な解像度を用意し、トリミングされる領域を想定して構図を決めてください。
展示時の表示品質を優先して、色域はsRGBに揃えるとブラウザ差での色ズレが少なくなります。
Magic Eden
Magic Edenは主にSolana系のNFTに強いマーケットプレイスとして知られています。
チェーン固有の仕様やコレクション管理のルールで、推奨サイズや上限が異なることが多いです。
出品前に公式ドキュメントを確認し、必要であれば事前に小さなテスト出品を行って表示確認してください。
Coincheck NFT
Coincheck NFTは日本向けサービスで、国内利用者に見え方を最適化することが重要です。
メタデータの表記や著作権情報の明記が求められる場合がありますので、出品前に必須項目を確認してください。
画像サイズの目安は2,000ピクセル前後が無難ですが、上限や推奨はサービス改定で変わるため、最新情報をチェックすることをおすすめします。
作成時の実践設定
NFT用の画像を作る際に、見栄えと互換性の両方を考えた実践的な設定を知っておくと安心です。
これから各項目ごとに推奨設定と注意点を具体的にご説明します。
2000×2000ピクセル
正方形アートやアイコン系のNFTでは2000×2000ピクセルが扱いやすい推奨サイズです。
この解像度は多くのマーケットプレイスで表示が綺麗に出る一方、ファイル容量を過度に増やさずに済むバランスを取っています。
作業時はレイヤーやエフェクトを残したファイルで保存しつつ、出品用はこのピクセル数にリサイズして最終書き出しするのが現実的です。
16:9比率
風景やムービー風のアート、バナー表示を意識する場合は16:9比率が適しています。
サムネイルやトリミングされる場面も想定して、重要な要素は画面中央や安全域に配置してください。
横長を選ぶときは、縮小時の読みやすさや顔の認識なども確認すると反応が良くなります。
sRGBカラープロファイル
ウェブ表示が前提のNFTではsRGBを基本プロファイルにしておくと色ズレが起きにくくなります。
制作ソフトでは最終書き出し時にドキュメントをsRGBに変換して、プロファイルを埋め込むことをお勧めします。
印刷向けの広色域から変換する際は、彩度が変わる場合があるため、仕上がりをモニターで必ず確認してください。
PNG透過保存
背景を透過させたいグラフィックやロゴ系のNFTはPNG透過での保存が最適です。
透過が不要な場合はファイル容量を抑えるためにJPEGを検討してください。
PNGで保存するときはPNG-24を選び、アルファチャンネルの処理や不要レイヤーの統合を行ってから書き出すと良いです。
JPEG圧縮設定
写真系やグラデーションが多い作品を出品する場合はJPEGの圧縮設定が重要になります。
- 品質80から85
- プログレッシブJPEG
- カラープロファイル埋め込み
- 目標ファイルサイズ1MB前後
圧縮率を上げすぎるとディテールが失われるため、複数サイズで比較しながら最適な品質を決めてください。
ベクター出力の扱い
ロゴやシンプルな図形はベクターデータで作成しておくとサイズや解像度の調整が容易です。
| 利点 | 実務上の注意 |
|---|---|
| 無限の解像度 | ラスタライズが必要 |
| ファイル軽量化が可能 | テクスチャは再現不可 |
| 編集の柔軟性 | マーケット互換性確認 |
出品用にはベクターからターゲットピクセルへ高品質にラスタライズしてPNGやJPEGで書き出すのが無難です。
ベクターのままではサムネイルや一部のプラットフォームで正しく表示されない場合があるため、必ずプレビューを確認してください。
出品時の具体的注意点
NFTを出品する際には画像そのものだけでなく、表示や保存の仕組みまでも意識する必要がございます。
ここでは出品時に特に見落としがちなポイントを、実践的にわかりやすく解説いたします。
ファイル容量削減
出品プラットフォームやチェーンによってはファイル容量が制限されるため、事前に削減対策を行うことが重要です。
画質を大幅に損なわずに容量を下げるコツを覚えておくと、出品の失敗を減らせます。
- 画像形式の見直し
- 解像度の適正化
- 不要メタデータの削除
- 可逆圧縮の活用
- 背景透過の必要性検討
たとえばPNGからWebPに変換すると同じ見た目でサイズが半分以下になることもございます。
一方でアニメーションや透過が必要な作品は別途最適化方法を選ぶ必要がございます。
サムネイル確認
プラットフォームではサムネイルが購入意欲に直結しますので、必ず実表示で確認してください。
中央の被写体が切れないか、テキストが潰れていないかをスマホでもチェックすることをおすすめします。
コレクション一覧や検索結果で小さく表示された場合の見え方を想定して、必要なら別途専用サムネイルを用意してください。
IPFSアップロード
IPFSにアップロードする際はCIDが生成されるため、アップロード後の参照方法を決めておくと安心です。
自前でピンをしない場合は、外部のピンニングサービスを利用して恒久的な保存を確保してください。
またゲートウェイ経由での表示遅延やクロスリンクの扱いについても事前に確認しておくとトラブルを防げます。
メタデータ画像設定
NFTのメタデータ内に指定するimageフィールドは、最終的な表示に直結する重要な要素です。
IPFS CIDかHTTPSのどちらを使うかを明確にして、サムネイル用と高解像度版を分けて登録するのが望ましいです。
また動画や3Dモデルを含む場合はanimation_urlやadditional_mediaのフィールドを正しく設定してください。
チェーン別容量制限
利用するブロックチェーンによって、推奨されるアップロード方針が変わりますので注意が必要です。
| チェーン | 目安 |
|---|---|
| Ethereum | 10MB |
| Polygon | 20MB |
| Solana | 30MB |
| Flow | 25MB |
上の目安はプラットフォームやウォレットの扱い方で変動しますので、必ず最新情報を確認してください。
容量を超える場合は外部ストレージを使い、メタデータで参照する方法が一般的です。
見映えを上げる画像最適化
NFTとしての魅力は、出品時の第一印象で大きく左右されます。
小さなサムネイルでもはっきりと伝わることが重要で、プラットフォーム上で目を引く工夫が必要です。
ここではサムネイルの最適化からコレクションの統一感まで、実践的なポイントを紹介します。
サムネイル最適化
サムネイルは一覧画面や検索結果で最も頻繁に表示されるため、意図的に作り込みます。
アイキャッチになる要素を中心に配置して、縮小時にも判別しやすくします。
- 中心被写体の明確化
- 適度な余白
- コントラスト強化
- 読みやすいテキスト最小使用
カラーは単純化すると視認性が高まりますし、背景と被写体のコントラストを意識すると効果的です。
ズーム表示対応
多くのコレクションでは画像を拡大して詳しく見る機能が備わっています、そこでの見栄えも重要です。
拡大時にジャギーやノイズが目立たないように、元画像は高解像度で制作してください。
テクスチャや筆跡などの細部はベイクしておくか、別レイヤーで保存すると再編集が楽になります。
ラスター作品なら4000ピクセル前後の長辺を基準にすると、ズーム時の見栄えが良くなります。
コレクション統一感
| 要素 | 推奨設定 |
|---|---|
| カラーパレット | 限定色数 |
| フレーミング | 同一の余白規則 |
| フォント | 1から2書体 |
| トーン | 統一した明暗 |
シリーズ全体でルールを決めておくとコレクションページでの見栄えが格段に上がります。
ルールはシンプルに、そして柔軟に運用すると制作負担を抑えられます。
代替テキスト追加
代替テキストはアクセシビリティとSEOの両方に効きます。
画像内容を簡潔に説明し、主要なキーワードを自然に含めますが、キーワードの羅列は避けてください。
制作過程や作品の意図がある場合は簡単な補足を加えると、閲覧者の理解が深まります。
代替テキストは短めにまとめるとプラットフォーム表示で切れにくくなります。
出品前の最終チェックリスト
出品前にこれだけは確認してください。
画像の解像度、ファイル形式、容量、透過の有無を最終確認し、サムネイルが崩れていないか、IPFSやプラットフォームのメタデータ設定もチェックしてください。
下の項目を順に確認すると、公開後のトラブルを減らせます。
- 推奨ピクセル数で保存
- sRGBに変換済み
- ファイル容量が上限内
- サムネイル表示を確認
- 透過が必要ならPNGで保存
- IPFSへ正しくアップロード済み
- メタデータのimage欄を確認
